明石海峡大橋ブリッジワールド

まずは、橋のてっぺん、地上300メートルからの絶景をご覧いただきましょう。

「明石海峡大橋ブリッジワールド」という、橋の見学会に誘っていただきました。毎年期間限定の予約制でなかなか取れないプラチナチケットらしいです。

明石海峡大橋は自宅からも見えるのですが、内部を見学させてもらうなんてチャンスは滅多とあるものではありません。この主塔のてっぺんは海抜300m。素晴らしい眺めでした。

まずは橋の科学館で、ヘルメットとメッシュのベストに身を固め、メガネや携帯には落下防止用ストラップを付けます。橋の説明をしてくれるのは、実際に橋の建設に携わった技術者さん達。みなさんそれなりのお歳ですが、矍鑠(かくしゃく)とされています。

こういう巨大な吊り橋を造る時には、まず主塔を建て、メインケーブルを張り渡してから、そこへ橋を吊っていく訳ですが、メインケーブルをいきなりは張れませんから、最初にガイドロープを渡す必要があります、それに使われたのが、この直径10ミリのアラミド繊維ロープ。

ヨットのロープで言えば、ケブラー(デュポンの商品名)とかテクノーラ(同、帝人)と呼ばれているやつです。外皮はダブルブレードじゃなくて、ウレタン樹脂なんですね。摩擦や紫外線をあまり考慮しなくて良いからですかね。

あと、目を引いたのは塗装。ジンクリッチ塗料、エポキシ系下塗り3層、エポキシ系中塗り、フッ素系上塗りで合計6層。これだけやれば完璧ですね。因みに下塗りの(赤さび)とか(さび)って何だろう?と思ったのですが、これはただの色指定でした。

メインケーブルは、直径1メートル12センチ!亜鉛メッキされた素線一本一本が5.23ミリもあり、それを127本重ねたものが一本のストランド、さらにそのストランドを290本束ねてケーブルになります。これで、自重も含めた60,000トンの荷重を支えているとの事。
僕のヨット(36ft、重さ6.5トン)で使われている一番太いワイヤーは、サイドステーの直径10ミリで、耐荷重が10トン弱、耐荷重は断面積にほぼ比例しますので、このメインケーブルの耐荷重は、112 x 112倍で、120,000トンぐらいになり、安全率が2倍以上と言われているのと大体合ってますね(実際には、ステンレスより鋼鉄の方が強い筈なので、もっと余裕があると思います)。

このケーブルは、一旦橋を架けてしまうと二度と更新できません。つまりケーブルの寿命が橋の寿命。亜鉛メッキしてあるとはいえ、錆びたら終わりです。ただ、亜鉛メッキのケーブルは、湿度が60%以下ではほとんど錆びないのだそうで、そのために24時間の送気システムでケーブルの中に乾燥した空気を送り込み、湿度を40%に維持しているとの事。

これ、何か船にも応用できないかなあと思ったのですが、ライフラインやステー・シュラウドはステンレス。亜鉛がけの鉄を使ってるのは、アンカーとチェーンぐらいなんで、アンカーウェルに送気するぐらい?まあ手間とコストを考えたら無いな。

この後、エレベーターで主塔のてっぺんへ。真下を見るとこんな感じ。

ざっと2時間ほどのコースですが、大変貴重な体験をさせてもらいました。

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