バッテリーのリチウム化 – テストと最終調整(今度こそ完成)

ハウスバッテリーのリン酸鉄リチウムバッテリー(LPF)化は先週で完成!したはずだったのですが、意外な落とし穴が…

陸電を切って、エアコンが無事稼働することを確認できたので、今度は陸電を繋いでACチャージャからの充電を開始したところ、不思議な現象が発生しました。

メイン(鉛)、サブ1(LPF)、サブ2(LPF)に同時に調整充電してくれるはずが、充電率(以下SOC)約50%のサブ1には殆ど流れず、ほぼ全ての充電電流がSOC70%のサブ2の方に流れ始めました。

どうも頼んでもいないのに走行充電器がメインバッテリーの系列から一生懸命電気を吸い出して、サブ2の系列に送っているようです。また、ACチャージャーは、サブ1とサブ2の系列を無視して、ほぼ能力いっぱいでメインバッテリーの系列に充電しようとしている!

先に、ワクワクシニアさんのブログで、ソーラーパネルをつなぐと、走行充電器がエンジンが始動したと勘違いしてメインバッテリーから電気を吸い出してサブに送り始めてしまうという現象を学んでいたのですが(https://newtakjp.com/lithium-ion-battery1/)、うちはソーラーコントローラーと走行充電器が一体化した装置なので、その心配は無い筈でした。しかし、ACチャージャーと走行充電器の間でも同じことが起こる得るのは、考えてみれば当然です。

次の図をご覧ください。

発生している事象は、次のようなものと推定されます:

① 陸電が繋がると、ACチャージャーが始動用バッテリー、ハウス1、ハウス2の3系統に調整充電を始めることになっているが、
② 始動用バッテリーに充電し始める前に、走行充電器がエンジンが始動したと勘違いして、始動用系列から電気を吸い出して、電気をハウス2に送ってしまう
③ 一方、ACチャージャーからハウス2への充電は、走行充電器から来る電圧が高いので停ってしまう
④ 走行充電器が稼働している間、始動用バッテリーは電圧12.7v以上では受電せず、むしろ給電する
⑤ ハウス1には充電されても良さそうな筈だが、始動用の系列が、走行充電器にどんどん電気を吸い出されて電気を欲しがるので、ACチャージャーはハウス1を差し置いて、全能力で始動用系列に充電しようとする

なるほどそういう事なのね。ワクワクシニアさんは、始動用バッテリーの系列にアイソレーターを噛ませて解決されたようですが、うちはもっとシンプルに、リレーを使い、陸電が来た瞬間に走行充電器への始動用バッテリー系列からの給電を遮断するという仕組みに改造しました。

これで走行充電器くんは、陸電が来てACチャージャーが動き出したら、ソーラーからも始動用バッテリー系列からも給電を止められてしまって、手も足も出なくなります。そこで大人しくしていなさい!

と、これでいよいよ完成ではあるのですが、今度はネットで意外な情報を発見

テスラブログ:https://lowcarb.style/2024/08/28/lfp-batteries-deteriorate-with-full-charge/

LiTimeさん:https://jp.litime.com/blogs/news/how-do-you-store-lifepo4-batteries-jp

Eco Flowさん:https://blog.ecoflow.com/jp/prolong-life/

これ、知りませんでした。テスラ系の研究所の研究結果らしいですが、LiTime(うちのバッテリーのメーカー)もEco Flowさんも同じ事をおっしゃっていて、満充電に近いところで長期保存するとバッテリーの寿命が縮みますとの事。

という事は、うちのように陸電を繋ぎっぱなしにしていると、少し減る度にフル充電を繰り返すことになって良くないですね。チャージャーの手前にブレーカーが入っているので、これを切っておくしかないかな?

ただ、冷蔵庫も点けっぱなしなので、陸電からのチャージを止めてしまうと一日当たり50-60Ahぐらいづつバッテリーを消費してしまいます。

そこで、ハウスバッテリーの充電を80%ぐらいに留めた状態で、ソーラーパネル(180w)を常時接続、陸電はオフにしておく事にしました。これだと、夏の快晴時(ソーラーは能力いっぱいに充電してくれるが、冷蔵庫もフル稼働)で、ほとんど出入りがトントンになっています。

ここのところ、毎日快晴で、ちっとも雨が降らないので悪天候の時どうなるのか実験できていないのですが、お天気が悪い日は、1日の消費がソーラーからの供給を上回って、バッテリーが減っていく筈です。ただ、発電ゼロでも1週間ぐらいは保つ計算だし、実際には天気が悪くても少しは発電するので、そう簡単にはバッテリーが底をついてしまうことは無いと思います。

実は、先ほどの資料には、パススルー(バッテリーから機器に電気を供給しながら、同時に充電すること)も避けて下さいと書いてあるのですが、それでは打つ手が無いので、そこは勘弁してもらいます。60-80%の充電状態で、比較的小さな電流を出し入れするだけならあんまり関係ないんじゃ無いかとの希望的観測。

最後に満充電状態からのエアコンの稼働時間を実際に泊まり込んで測ってみました。

夕方7時に稼働開始。外気温30度、室温は35度を超えています。エアコンはフル稼働。70Ah強の消費です。

夜10時を過ぎ、外気温28度、室温もそのぐらい。そろそろ電力消費が落ち着くかなと期待しましたが、やっぱりダメで、エアコンのコンプレッサーはフル稼働し続けています。消費が先ほどより少しだけ減っているのは冷蔵庫のコンプレッサーがフル稼働をやめたからでしょう。

この後もバッテリーの電気をフルに70Ahで使い続け、深夜1時過ぎについに低電圧のアラーム。460Ahのバッテリーを約6.5時間で使い切りました。

やっぱり夜通しの稼働は無理でした。ただ、その頃には外気温も下がっていたので、ハッチ、ポート全開にすれば寝ることはできました。

今後の具体的な運用ですが、陸電のない泊地では、なるべく涼しいレストランなどで、できるだけ遅くまで粘り、船に帰ったら、数時間できる限り船内を冷やして、寝る前にはエアコンを切って寝るというあたりでしょうね。それでもないよりは全然マシだろうと思います。

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