ヨット用のアンカー市場というのは、つくづく儲からない市場なのだろうと思う。だって、1度買ったら最低10年ぐらいは更新しないし、そもそもアンカーなんて打たないから適当なものがバウからぶら下がっていたらそれで良いと思っているヨット乗りも多いから。
現に、誰もが名前を知っていて、今でも多く使われているダンフォース、CQR、ブルース、これらはオリジナルを製造していたメーカーが既に消滅している。市場では中古か模造品が売られているだけだ。辛うじて、デルタはLewmarに買収されたので、今でも手に入る。
Rocna、Manson、Spadeなども、廃業こそしないが細々と作って売っているという感じ、日本製で非常に評価が高いバルカンデルタも、ネットで探すと欠品入荷予定無しとなっている。
そんな中で、今でも元気にアンカーとその関連製品を製造販売しているのがMantus Marineだ。
元々、ここの主力のMantus M1 Anchorは、ロールバーのついたRocna Anchorの改良版だが(口の悪い人はパクりだという)、最大マーケットの米国をベースに(本社はHouston、TX)、自身がヨット乗りでもあるKutsen兄弟が、こういうものがあると便利だろうなあと思わせるようなアンカー関連の製品を次々に上梓して、元気に営業されている。
自分も、M1Anchorを手始めに、チェーンフック、スナッバーなど、次々と欲しくなって、見事に同社の戦略にはまってしまった。
さて、前置きが長くなったが、その一連の製品の中で、アンカーガードなるものがある。バウのアンカーローラーにメインアンカーを固定した場合に、アンカーが船体に当たらずにしっかりホールドされるように設計された器具だ。もっと具体的にいうと、デルタアンカーが載っているローラーにMantusのアンカーを載せた時にピタッとはまるように作ってある。写真はこんな感じ(たまたまSpadeが載っているのはご愛嬌で)。
これは非常に具合が良いのだが、このフルークが当たる部分のY字型の硬質ゴムがいつの間にか割れていた。
外すとこんな感じ。左右両方割れてしまっている。
ついついウインドラスを巻きすぎて、ガードにドスンと当たる事があるので、これは船体の代わりにゴムが犠牲になってくれたのよねえと、良い方に捉えることにして交換部品を注文したところ。。。
「同様のトラブルが複数発生したので、モデルチェンジしました。ついては交換部品は無料で送ります」
「日本だけど良いの?送料持ちましょうか?」
「もちろん結構です」
というわけで、改良した部品を送ってきた。
装着したところ
この会社、こうやって製品が日々改良されていくのが素晴らしいんだよねえ。もちろんタダで日本にまで送ってくれたのも評価が高いけれど。
経営的に安定していないとそういう事もできないので、これからも頑張ってほしい。皆さんもホームページを見れば欲しくなる製品がありますよ。アドレスを貼っておきますね。
https://www.mantusmarine.com
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