激安ダブルブレイドは究極のアンカーロープになり得るか?

最近アマゾンで、ポリエステルの12mm、ダブルブレイドロープ100m、10,120円を見つけて買ってしまった。この激安ダブルブレイドが究極のアンカーロープになりそうに思ったのだが、なかなかそうもいかないようで。。。

まず、最初にこれまで使ったことのあるロープについて、お値段や素材、破断荷重等の比較表を作ってみた(ダブルクリックで拡大)。

次に、あくまで個人の感覚での優劣、というより好き嫌いを書かせていただきたい。
まずサワセンロープ。これは三つ打のスパンエステル(ポリエステル短繊維)で東京製綱製。お値段、品質の安定性、信頼性、どれを取ってもこれに勝るものは無いと思う。ただ、三つ打ロープは取り回しに独特のコツがいる他、収納はかなりかさばるので、その点でどうか。

次にクレモナ三つ打ちは、昔ながらの手触りが好きなのだが、サワセンと比べてお値段だけの差があるかどうか。

クレモナのクロスエイト。手触りが良いし、さばきやすいので、個人的には好き。ただ、お値段がね。因みに、スパンエステルのクロスエイトがあると良いのだが、なかなか見つからない。ポリエステル長繊維のクロスエイトはよくあるが、これはナイロンと同じで滑りやすく、打ち込みの甘いものが多い。

ナイロンロープ。係留索には良く使われるが、アンカーラインとしてはどうか。個人的には嫌い。滑りやすいし、腰がなく、くったりしているので、もつれやすい感じがする。ただ、強度が他を圧倒するので、収納を考えてサイズダウンして使うという用途はあるかも知れない。

さて、ちょっと変わったところで新幹線印組ロープ。トラックのお兄さんたちには根強い人気のブランドらしいが、結論からいうとヨットには向いていなさそう。素材はナイロンだというが、ロープの途中あちこちほつれが出ているし手触りもごわごわして固く、ナイロンをスパン糸にしたか、表面加工したか、少なくとも普通のナイロン長繊維のロープとは全く違う。なお、16本の金剛打ちのスプライスのやり方はネットには出ているが、これは素人には手に負えそうにない。

そして最後が、本日ご紹介のダブルブレイドの激安ロープ。普通の12mmのヨットロープならポリエステルの汎用品でもメーター4百円ぐらいだろうから、これは安い。販売は、編紐スリーブと編み紐製造販売の大成製作所とある。ロープ屋さんというよりは紐屋さんなのかな?国産っぽい。カタログ上の破断荷重は約2トン(20kN)。外見的には外被にほつれ等も無くとても綺麗な製品。ただ、早速端末をアイスプライスしようとして驚いた。
中芯が16打のやや細めの紐2本とフィラメントひと束の3つに分かれているのだ。

何故こういう構造になったのかも、これが強度に及ぼす影響も不明。中芯が3本に分かれることで、必ずしも強度が下がることは無いようにも思うが、それにしても、この素(す)のフィラメントは何のためのものよ?

以上とりまとめると次の表のとおり。

結論として、この激安ダブルブレイドは、人柱気味に使ってみるというならありかなあという感じ。積極的にお勧めはできないけれども、
当然ながら、命を預けるアンカーロープで冒険はしたくないだろうと思う。一方で、アンカーラインにカタログ上の破断荷重の半分、例えば1トン(10kN)もかかるのは風速70ノット。ロープが破断する前に確実に走錨する。それを考えると、あまり神経質になる必要は無いのかも知れない。
因みに、自艇では主錨はチェーンなのでこれは副錨用。特に双錨泊の時、最初に打つ錨のラインは2倍ぐらい伸ばしてから真ん中まで戻るので、その時のイクステ用を主用途にしようと思っている。そういう用途なら安いに越したことはないので、この激安ダブルブレイドは充分魅力的。

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