大きすぎるアンカーのデメリット

クルージングボートのアンカーについて論じられる場合、普通は小さすぎることが問題とされることが多いが、逆に大きすぎるデメリットについて書かれているブログ記事があった。(残念ながら元記事はリンク切れ)

この人が書いている事全部に同意できるわけではないし、論旨が良くわからないところもあるのだが、幾つか考えてみた方が良いと思ったポイントがあるので列挙してみる。

  1. 新世代のアンカー(Delta、Rocna、Spadeなど)は、従来のアンカー(CQR、Bruceなど)に比べて、把駐力が2倍から4倍も高いと言われているのに、推奨されるアンカーの大きさが変わらないのは何故?
  2. 重い方がセットされやすいのは確かだが、セットしない時や走錨に気づいた時に、アンカーが重すぎて、迅速な取り回しが効かないと非常に危険だ。
  3. バウに吊るす常用アンカーは、50ノット(25m/s)の風に耐えられるべきだという意見があるが、殆どの人は、一生のうちに錨地でそんな風に遭遇することは無い。
  4. 嵐に対処するという事は別のテーマで(アンカーだけでしのげるわけでもない)、ハリケーンアンカーを常時バウから吊るすなんて馬鹿げている。

確かに一理あるなあと思う。

これ以外にも、自分が思うにアンカーを重くすることで、精神的に頼り切ってしまうことには危険が伴うと思う。
走錨するのは、元々セットされていなかったか、スコープが不適切で(不足していて)アンカーが引き起こされて抜けたか、風向・潮流の変化で抜けて再セットされなかったかという事が多いだろう。
前の2つは技術や知識の不足、3つ目は注意の不足。アンカーは沈めてしまえば、後は何も考えなくて良いというものではなくて、常に適切な運用と細心の注意を必要とする。アンカーを一回りや二回り大きくしたからと言って、ノーケアで良くなるということは無いのだ。

ところで、自分の船は、排水量が6.5トンあるのに、バウに吊られているのは、造船所が最初から付けてきた10kgのDelta。流石にこれでは軽い。一応ロードをフルチェーンにして、これまで走錨したことも、しそうだなと不安に思うような挙動をしたこともないが、実際、15m/s以上の風で長時間吹きさらされた事がないので、どのぐらいのマージンがあるのかは不明だ。
上に書いてあるようなことを考えると、極端に重くする必要はないと思うが、やはりもう一回りは大きい方が、精神的には楽だろうと思う(その後、15kgのSpadeに換装した)。

(このアンカー何トンあるんだろう?これを打てば走錨することだけは無い…と思うが…)

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