ヨッティングにおける理想と現実

自分なりのヨッティングの理想:

  • Seaworthyな(堪航性の高い)船体、艤装、乗員
  • シンプルで軽やかに
  • できるだけエンジンに頼らず風の力だけで
  •   陸の生活を持ち込むのではなく、体を船の生活に合わせて

そして現実:

  • サイズはちょっと大きめの方が楽だよなあ
  • メンハリを上げるのが大変だから電動ウインチ
  • このままでは月曜の会議に間に合わん。エンジンオン!
  • 冷蔵庫がないと冷たいビールが飲めないじゃん。夏暑いからエアコン付けたろ。バッテリー増設しなきゃ。ソーラーパネル、いや発電機。。。以下無限に続く

Seaworthinessと船体の大きさは、そのままでは比例しない。設計さえまともなら外洋に行くのに30ftもあれば充分だろう。堀江さんが太平洋を横断したマーメイドは19ftだ。とはいえ、30ftで2-3mも波があれば頻繁に頭から波をかぶる。伊東から葉山までわずか34マイルに真上りで10時間かかったことがある。たまたまオーパイが故障していて舵から離れられず、全身ずぶ濡れになって疲労困憊、もうちょっと船が大きかったらなあと恨めしい思いをした。

そこで船を大きくする訳だが、今度はメインセールを上げるのも一苦労だから電動ウインチが欲しい。バッテリー増設も必要、どんどん船が重くなって風上に上らないから風が前に回ったらすぐにエンジン始動。

この輪廻を断ち切るには、煩悩を断ち切るしかない。暑いとか寒いとか、波をかぶるとかいうことは一旦全て受け止めて、是処方空想、色即是空、空即是色だと悟りが開ければ良いのだろうけども。。。

やっぱり冷たいビールは欲しい! 

 

というわけで、この理想と現実のギャップにどこでどう折り合いをつけるかは、人それぞれなんだろう。

自分の場合は、当分は現実に妥協しつつ、せいぜいこれ以上は自艇が肥満してしまわないようにダイエットを心がけるしかないと思っている。ただ、もう少し年齢が上がって外洋へ出なくなったら、瀬戸内でのデイセーリング限定の小舟に乗り換えて、枯れたセーリングをしてみたい。80近いじいさんが、オープンコックピット、アウトラダーにごく小さなドッグハウスのついたデイクルーザーを操って自由自在に瀬戸内を旅しているなんてちょっとカッコよくないですか?

エドゥアール・マネ Boat 1874 MET収蔵)

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