浸水シミュレーション

外洋にいて浸水したら怖いだろうなあ。辛坊さんの本を見て思った。それでも辛坊さんは(いろいろ言う人はいるだろうけど)結構冷静に自分のできる事をできる範囲でされていたと思う。
ただ、自分が同じような目に遭った時に、(後知恵も含めて)どういう対応をすべきか、今のうちにシミュレーションしておくことにした。

その前に、エオリア号の浸水の原因について:
映像等からクジラにぶつけられたことは間違いないだろう。ただ、ハルへの激突でハルに破孔ができたとはちょっと考えにくい。もしそうなら、ぶつかった時の衝撃があれどころではない筈だし、浸水のスピートももっと速いだろうと思う。

したがって、
1) 衝突の衝撃でスルハルからホースが外れた
2) スピードメーターがもぎとられて穴が開いた
3) ラダーにぶつけられてラダーポストのケースから浸水
4) プロペラシャフトにぶつけられてスタンチューブから浸水
5) キールとハルの接合部から浸水
のどれかである可能性が高いと思う。

では、どのように対処すべきか:

  1. まず何はともあれ、船底のバルブは全て閉止する
  2. 取水口のまわりにゴミがないか確認の上、電動ビルジポンプを稼働
  3. 帆走中なら船を止める。可能な限りヒーブツーで。セールを降ろしている余裕はないだろう。
  4. 手動排水ポンプで死に物狂いで排水(船に備え付けのものとは別に容量の大きな可搬式のものも用意してあるが、意外にバケツが一番有効との説もある)
  5. 必要なら、エンジンの一次冷却水取水ホースをスルハルから引っこ抜いてビルジに突っ込み、エンジンをかける(強力な排水ポンプになると言われている)
  6. それでもビルジがどんどん増えてくるなら退避を検討。減ってくるか少なくとも安定していたら、上記1)から5)を順次点検
  7. 運よく浸水個所が見つかったら、Stay Afloat(油粘土のような専用の止水マテリアル)を詰めれば止まるかもしれない。スルハルなら木栓(数種類用意)あとは、布でもなんでも片っ端から詰めて浸水を減らす。浸水個所が左右どちらかに寄っていたら、ヒーブツーの向きを調整する
  8. 自力で帰港が望めない場合、EPIRB稼働、衛星電話(持っていれば)で救助要請、必要に応じてライフラフト準備、但、退船は最後の最後の手段とする

実際には慌てるだろうなあ。この手順書をキャビンに貼っておくか?でも、こんなものまで貼っていたら、キャビンが手順書だらけになって、いざという時にどこにその手順書があるかわからなかったりするかも。何れにせよ一度通しで練習だけしといた方が良いだろうね。

コメント

  1. U-Ming より:

    参考にします(^-^)/

  2. HB より:

    前に、これはビルジ抜きになるかも?と思って34馬力のディーゼルエンジンの排水をバケツに溜めたら「え?バケツ一杯溜めるのにこんなにかかる?」ってレベルでしたし、得てしてエンジンは低い位置にあって水の餌食に早くからなるので、エンジンは相当気休め程度かも…

  3. Koji より:

    >>2
    情報ありがとうございます。なるほどそうですか。ホースを外す手間に見合うかどうか、一度実験してみないといけませんね。

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