速いクルージングボートという売り文句は相当魅力的だ。
やはり帆走していて楽しいボートが良い。
しかし現実は甘くなく、速いということは軽いということ。軽いということは、積める装備に限界があるということになる。
どうしても欲しい装備がある。まず冷蔵庫。冷たいビールが飲めなくなったら多分ボクはヨットをやめる。ただ、これは重さも電気の消費も大したことはない。
あと、信頼できる錨と十分な長さの錨鎖。これなしでクルージングに出ることは多分一生無いだろう。水と燃料、食料、酒、予備のセール、工具。これらを最低限に切り詰めてもどうだろう、やはり1トンで納めるのは厳しいぐらいかも知れない。
次に、もしあれば良いなあと思うモノたち。ソリッドのディンギー、インバーター駆動の電子レンジ、レーダー等々。これらを駆動するためのバッテリーバンクやソーラーパネルによる重量増加も含めて、先のと合わせて1.5トンぐらいか。
究極はエアコン。日本の真夏の気候は尋常じゃない。ただ、以前フォーラムでも議論が盛り上がっていたが、陸電なしでエアコンを無理なく稼働させるには発電機がいる。さらに1トンの重量増加。固定重量を2.5トン載っけてまだ速いボートってどんなだろう?
要するにデカいことが必要なんじゃなかろうか?
LOA20メートル、排水量30トンのX6なら、きっと本当に速いクルージングボートなのだろう。
結局のところ30フィート台で速いクルージングボートなんていうコンセプト自体が非現実なのかもしれない。
ただ、「速いクルージングボート」はなくても、「速いボートでクルージングする」ことは可能だと思う。ストリップアウトしたバリバリのレース艇を中古で手に入れて、アイスボックス一つだけ積み込み、アンカーだけは信頼できるものをキャビン内のマストステップにでも縛り付けて、デイセーリングやマリーナホッピングに徹するのは、なかなか楽しそうだ。
老後のヨットの楽しみ方として、それは意外に良いアイディアかも知れないと思っている。
2018/05/30
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