画期的(?)水冷エアコン

たまたまインターネットで、車のラジエーターと井戸水を使った簡易エアコンを作っている人をみつけて、これを船に応用できないかと思いついた。
車のラジエータでは大きくて重そうだけど、パソコン用の水冷CPUクーラーだったらどうだろう?
小さいし消費電力が少ない。一つ一つでは非力だろうが、なに、いくつもつなげば良いのだ。
海水は、ギャレーの洗い水用の海水取水口から取れるし、海の水なら無限にある。
ボクちゃん天才!(の筈だったのだが…..)

まずはいつものお約束でプロトタイプを作って実験。

因みにパソコンのCPUを水冷で冷やすなんて聞き慣れないと思うが、ゲーマーさんなどのマニアックな人たちが通常の空冷では飽き足らなくて水冷PCを自作している。だから部品はアマゾンなどで簡単に手にはいるのだ。

今回のシステムは、あくまで実験用なので最小スケールの構成だが、CPUクーラー用のラジエータに、USB駆動の12インチケースファンが2個。
水槽には23度に調整した4Lの水、これを電動ポンプで毎分2.3 Lの流量で循環させ、時間と共に温度がどう変化するか計測した。室温は27度。
水槽の水の温度が上がれば、その熱量はラジエータで室内の空気から奪われたものと考えてよいだろう。厳密には水槽の断熱が必要だが、実験時間が短いので水槽からの放熱には目をつぶることにする。

結果はグラフの通り。室温と水温との差によって効率が随分違うが、水温25度から26度まで上がるのに16分30秒、水槽内の水の量は4Lだから、熱量にして4 Kcal、時間当たりでは14.5 Kcal/h。換算すると、0.017 KWh、又は 58 BTU/h。

アハハ、これはダメだわ。エアコンの一番小さいのがだいたい5,000BTUぐらいだと思うので、これを100台繋いで、海水を毎分230Lぐらい循環させないといけない計算になる。
きっと井戸水クーラーの人は、水温10度台の井戸水が手にはいるのだろうと思う。それなら実用域なんだけどなあ。
因みに、広島市水産振興センターさんの情報によると、今年の広島湾の海水温は7月半ばで既に27度を超えているらしい。

「このエアコンは、海水温が10度近くなる真冬にのみお使いいただけます。もう暫くお待ち下さいませ。」

2017/8/4

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