ボールバルブに給脂は必要?

エンジンの冷却水や、ギャレー、ヘッドなどのスルハルに使われているボールバルブ、放置しておくと固着してしまうので、定期的なメンテナンスが欠かせないが、ハンドルの付け根部分はともかくとして、内部のボールの部分には給脂しなくて良いんだろうか?ちょっと気になったので調べてみた。

一般的なボールバルブの構造は下のようになっている(日阪製作所さんの技術資料https://www.hisaka.co.jp/valve/techDoc/techDoc09.html より)

これを見ると、ボールは、ボールシートで支えられていてハウジングとは直接には接触していない。また、シートには滑り特性に優れたPTFE(フッ素樹脂)が使われるのが一般的で、この構造ならグリースによる潤滑は必要無さそうに思える。
また、大手バルブメーカーのKITZさんの取扱説明書(https://www.kitz-valvesearch.com/upload/Files/material/05_Manuals/KJ-1001-07.pdf)にも、ボール部への給脂の必要性については全く記載が無いから、これは必要ないという事で良いだろう。
(但、シートにPTFEが使われる以前の旧式なボールバルブには定期的な給脂が必要だったようで、ボディーに給脂口がついているものがある)

したがって、ボール部が原因で固着するとすれば、それは、潤滑不良ではなく、潮噛みやゴミ詰まりなどによる可能性が高い。定期的に開閉して固着を予防することが一番大事なんじゃ無いかなと思う。

一方、ステム部の場合は潤滑不良による錆びつき、固着などもあり得る。とりわけ、バルブ本体がステンレスであろうが砲金であろうが、ハンドルの材質だけは鉄と決まっているので(理由は知らない)、油切れを起こすとすぐに錆びてしまう。(写真は、今の船を買った時に錆びていたので交換した冷却水取水バルブ。そういえばこの時もボール部は綺麗だった)

ステム部の給脂には、グリースでベタベタするのが嫌で、代わりにCRCを吹いている人がいるが、ステムに入っているグランドパッキンが溶剤で劣化する可能性があるので注意が必要だ。もしスプレー式の潤滑剤を使うなら、プラスチッックフリーのものにするのが無難だろう。
自分はある程度ちょう度の高いグリースでベタベタにしておくのがベストだと思うけれど、これは開閉の際にうっかり手についたりするので、家内にはすこぶる評判が悪い。

コメント

  1. O川 より:

    学生時代に聞いた話では、ハンドルは必ずパイプより弱くあらねばならない。
    故にハンドルは鉄!と。
    そして、何があろうともハンドルにパイプを突っ込んだり、プライヤーで挟んで回すな!と。
    結局回しますけどね、見つからないように。

    因みにメーカーによってはハンドルの色にも意味があるところも。

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