『食べて美味しい高級魚を捕る!』

先週ケンケンの道具を修理するのに参考にしようと、図書館で借りてきたこの本。なかなかユニークな本です。

普通のトローリングの入門書には、ゲームフィッシングのルールや、それにふさわしい装備などが紹介されている訳ですが、この本は全然違います。少し長くなりますが引用します。

ゲームフィッシングとしてのトローリングの場合、ゲーム性を高めるために『ライトタックルで細い糸を使って大きな魚を時間をかけて釣り上げる』という醍醐味があります。しかし本書で紹介している曳き釣りトローリングの本来の目的は『食べて美味しい高級魚を捕る!』というところにあり、トローリング大会に出るわけでもなければ、ゲーム性などは必要ないのです。掛かった魚は、必ず釣り上げるという考え方になりますので、使用するタックルは「ロッド・リール」という考え方よりも「ウインチとブーム」という考え方が当てはまるかもしれません。…(中略)… 魚がヒットしても、タックルはロッドホルダーに挿したままガンガン巻き取ります。その為リールに巻くラインは出来る限り太いラインを巻いています。…(中略)… ロッドは自分の背丈(160cm)ぐらいのショートロッドがこの釣りには断然お勧めです。

おー、ウインチとブームという考え方で良いなら、高価な釣り用の道具を買わなくても自作できるかも。

というわけで、AliExpressで安物(2千円以下)の8段繋ぎのカーボンの竿(竿とはいうが、リールをつけるプレートも、糸のガイドも付いてないただのカーボンパイプ)を買って、太い方から3段だけを使い、同じく売っていた中で一番安くてでかいリール(こっちは6千円もした)をつけて上述のショートロッド(全長160cm)を自作してみました。

これを、パルピットに塩ビ管をホースクランプで止めただけのロッドホールダーに装着すると…

どうよこれ!大型モータークルーザーのアウトリガーみたい(?)

このリールには60号の道糸を80mほど巻くことができるので、道糸の先端に先週紹介した3連ヒコーキ仕掛けを繋げば、魚がかかった時に道糸をヒコーキのある場所までリールで巻き取ることができて便利だし、何なら巨大ルアーを先端に繋いで直引きすれば、まぐれで巨大なやつ(マグロとかブリとかヒラマサとか…)が釣れちゃうかも知れませんよね(ヤター!)。

とはいえ、47都道府県のうち、沖縄以外の46県では、一般の釣り人にはトローリングが禁止されているのだそうです。だいたい、自分で食べる分を一匹だけ釣るのが一体誰の利益を侵害しているというのだろう?まあ、それはともかく、このロッドはあくまで将来沖縄へ行く時の準備ですので、皆様ご心配なく。

 

【追伸】
この本もう絶版になっているようで、Amazonでも見つけるのが難しいのですが(中古もあまり出てなくて高い)、図書館には結構あるようです。ちょっと調べたところ、神戸市と大阪市の図書館には蔵書がありました。

 

【追伸その2】
ところで、曳き釣りを禁止しているのは、漁業法と水産資源保護法に基づいて、都道府県知事が定める「漁業調整規則」ですが、条例の効力が及ぶ範囲は、県に接続する領海(沿岸から12マイル)に限られるようです。その外側の広大な排他的経済水域には、国の管轄権は及ぶけれども、都道府県が定める条例(この場合規則)の効力は及ばないと考えられます。

そうすると、紀伊水道なら白浜のはるか沖合い、遠州灘を潮岬から下田へ向かう途中、四国沖の土佐湾の真ん中あたりでは合法って事になりますね。まあ、律儀に守っている人はいないから関係ないけど。

コメント

  1. O川 より:

    80mでマグロはちょっと厳しいかな…(普通は3〜400…)

    • Koji より:

      そうか、そんなに伸ばすのか?巨大なリール高そう。なら、本マグロは諦めますわ。シビかトンビで結構ですので神様よろしく。

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