山屋さんのロープワークに学ぶ

山屋(アルピニスト)さんはもやい結びを使わない。
これを見ればその理由がわかる。

もちろん安定したテンションがかかっている状況では、もやい結びは最も信頼できる結び方なのだが、このように偏ったテンションがかかると、恐ろしくあっさりと解けてしまう。

そこで、山屋さん達はダブルエイトノットという結び方(今回はヨットで使わないので省略)を多用するが、もやいのロープエンドを端末処理することでもやいを使い続けている人もいる。

 上の写真、左は普通のもやい結び。右は改良型で、ロープエンドをくるりと回してもう一度穴に通しただけなのだが、このように端末処理をしてあると、先ほどのような偏ったテンションをかけても解けない。やや結び目が大きくなってしまう欠点があるのでどこにでも使えるという訳ではないが、自分はライフスリングを船に結びつけるもやい結びには改良型を採用している。万が一にも解けて欲しくない場所にはヨット乗りも採用を検討すべきだ。

もう一つ、ヨットで使えそうな山屋さんの結び方。
ロープの途中に他のロープを繋ぎたい時、ヨット乗りなら特に意識̈
2;せずに、下の写真のように一重結びをして輪っかを作ると思う。

ところがこの結び方、信頼性には問題ないが、テンションがかかると超きつく締まって解けなくなる。
そこで、山屋さんが使うのは、下のアルパインバタフライノット(中間者結びともいう)。

結ぶのに一手間余計にかかるが、こちらは強いテンションがかかり続けても根元に近い二つの輪っかを緩めると解くことができる。もやい結びとよく似た原理で、この結び方もヨットに応用が利きそうだ。

ちなみに、もやい結びはよく結び目の王(King of Knots)と呼ばれるが、バタフライノットを結び目の女王と呼ぶという説があるらしい。真偽の程は知らない。

(2019/3/19)

コメント

  1. カツマル(U-Ming) より:

    最近はもっぱらこれを使わせてもらっています♪見た目がいいです

タイトルとURLをコピーしました