ハイテクロープをたぶん一番安く手に入れる方法

皆さん良くご存知の西宮界隈のマリンショップで、8mmのダイニーマのロープが、在庫処分価格の590円/mで売られている。

この値段は普通のハリヤード用のハイテクロープに比べると三分の一ぐらいで、素晴らしくお買い得なのだが(流石にかなり在庫が少なくなってきました)、ダブルブレードでは無く12打なので、シートストッパーで滑るし、摩擦や紫外線も心配だ。カバーを被せれば良いのだが、単品で売っているカバーがほとんど無い上に、手に入るものはメーター当たり単価がこのロープ本体より高かったりする。ロープの強度は十分なのだから(8mmで4,500kgfもある!)、カバーは普通のポリエステルで良いんだけどなあ。

そこで思い出したのは、「中国製の安いロープを買ったら中がスカスカだった💢」とSNSに投稿していた人がいたこと。それ良いじゃん!
Amazonで検索してみると、50m巻きで3,871円。信じられないような価格で売っている。写真で見ると中身はともかく外見(外皮)はちゃんとしているように見えるし、この値段なら人柱しても良いやと早速注文。

約1週間後に、中国から直送されてきた品物はこれ。

外皮は、32打のポリエステルでしっかりしている。これなら十分に使えそう。ただ、コアにはナイロンと思われる編んでないストランドがいっぱい詰まっていて、全然スカスカじゃなかったのは約束が違う!(お客様、そういう事を言われましても…)。

というのは、ここから外皮をコアと分離するのが、想像を絶する大変さだったのだ。コアが不均一で、ところどころよじれており、極端に滑りが悪い。一回に引っ張り出せるコアは1mほどで、それを10回ぐらいしごいて50m先まで送り、さらにそれを50回余り繰り返すとやっと50m分になる訳だ。

日頃使われていない奥の和室を占領して(家人の冷ややかな目を浴びつつ)、途中何度もめげながら3日間。合計6時間ぐらいの労働で、遂に外皮とコアを分離した(捨ててしまったけどコアはこの倍あった)。

なお、この外皮をダイニーマのコアに被せる作業はそれほどは大変でなく、Samsonのスプライサーを頭に付けて、20cmづつ200回送るだけ(十分だるい)。こちらは30分ほど。

都合6.5時間の労働を経て、これで長さ40mの、Class II (core-dependent) ダブルブレイドロープが完成した。メインハリヤードに使うつもりなので、先端にはレバーシャックルを付けてClass II 用のスプライス(コアだけをスプライスして外皮に戻すやつね)。仕上がりの直径は9.5mmで予定通り、手触りも良くなかなかの仕上がり。

こうやって完成したハイテクロープがコスパ最強であることに疑いの余地はないが、あの延々と続く単純作業は度々やる気にはならない。もっとスカスカのロープを探さないといかんなあ(もし、そういう危険なものが売られているとすれば問題だけど…)。

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