カセットガスについての備忘メモ

カセットガスの容器にガスはどのぐらい入っているのだろう?という疑問から調べ始めたら、いろいろわかったので備忘のためにまとめておきます。

容量
カセットガス容器の容量は一本250g(JIS2148で決まっている)。8本で2Kgのボンベ一本分。

燃焼時間
容器一本をコンロでフルに燃焼させると、だいたい1時間。

内容物
普通のガス:ノルマルブタン 約70%、イソブタン 約30%
寒冷地用のパワーガス:ノルマルブタン 約30%、イソブタン 約70%

ノルマルブタンの沸点は−0.5度、イソブタンの沸点は−11.7度。
普通のガスはメーカーの推奨外気温が10度。それ以下の外気温ではうまく気化しない。一方、イソブタン比率の高いパワーガスなら5度。なお一部のパワーガスにはプロパンが最大で5%混ぜてある。因みにプロパンの沸点は−42度。

CB缶とOD缶
カセットガスボンベには家庭用コンロに使うCB缶と、登山やキャンプで使う丸っこい缶(OD缶)があり、CB缶についてはJIS2148で細かく規定があるため、プロパンの混入量は5%を超えることができない。一方、OD缶については、そのような規定はないので、イソブタン70%、プロパン30%のウルトラガスなどというものまであり、マイナス20度の冬山でも使えるらしい。

混ぜて意味ある?
ところで、プロパンやイソブタンのような沸点の低いガスを混ぜたとしても、沸点の低いガスから順に気化していって、最後にノルマルブタンだけが残るだけなんじゃないの?と指摘している人がいて、確かにそれはありそうではある。そうでないと、焼酎やウイスキーの蒸留(水とアルコールの沸点の差を利用)が成り立たないからだ。
しかし、混合物の沸点がどう変化するかというのはそう簡単な問題ではないらしくて、共沸混合物を形成して一定の沸点に収斂するケースもあるし、このケースでどうなるのか、ネットでざっくり調べてみただけでは良くわからなかった。ただ、体感として、パワーガスの方が、低温時にも容器の底近くまで使えるのは確かなので、単純にノルマルブタンだけが取り残されるわけではないのだろうと思う。

LPGの組成
普通のカセットガスのノルマル70 イソ30の比率は、中東や米国で天然ガスから分留されて日本に輸入されるブタンの組成が元々そのぐらいの比率になっているからだ。もっと濃度の高いイソブタンを得るには、蒸留するか、触媒を使ってノルマルブタンをイソブタンに異性化する必要がある。パワーガスは、その分コストが高く、普通のガスの3割ぐらい高い。

コメント

  1. O川 より:

    あとそれぞれのガスの比重の違いも、混合された物の沸点に影響するらしいですな。

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