保存食だけでヨットに籠る

買い出しには行かず、何日も手持ちの食材だけで凌ぐ。それなら自宅でなく船にいても、自粛自警団もうるさく言うまい。そこで、保存食だけを使い、どこまでまともなものが作れるか、実際にやって見た。

【スパムでボロっティ豆のトスカーナ風】
使うのは、スパム缶、玉ねぎ、ボロっティ豆(ひよこ豆)の缶詰。

まず豆を煮る。といっても缶詰だからもう煮えている。玉ねぎを粗みじんにし、スパムはサイコロ。玉ねぎとスパムをサラダオイルでさっと炒めて、そこへ豆缶、白ワイン、トマトソース缶、マギーブイヨン、鷹の爪一本とベイリーブを入れて10分も煮れば出来上がり。

これだけでも主食になるが、たくさんできてしまうので、タッパーに入れて置いておくと、この後の食事の付け合わせにもなる。

【海南スパムライス】
スパムで、海南チキンライス(カオマンガイ)風。
鍋に米(できれば無洗米)を量って水を入れ、スパムを乗っけて炊くだけ。唯一のおまじないは、業務スーパーで売っている「姜葱醤」(何て読むんだろう?)を一合に対して大さじ一杯入れて炊くこと。これで、超手抜きなのに結構本格的カオマンガイ風の海南スパムライスのできあがり。まあ騙されたと思ってお試しあれ(騙されたらごめん)。

【鯖缶のみぞれ煮】
鯖缶は自己主張が強いので、何を作ってもサバ缶になってしまうのだけど、これに大根おろしを大量投入するとちょっと上等な和食の一品風になる。出汁は、ヒガシマルうどんスープ、醤油、みりん。そこへ、鯖缶と大根おろしを大量に擦って投入、煮立ったら出来上がり。ヒガシマルうどんスープのやさしい味が関西風で良いのだけど、関東の人は白だしでも良い。

【春キャベツとイカの塩辛でスパゲッティ】
イタリアンにイカの塩辛とはちょっと思いつかない組み合わせだが、道場六三郎さんご推奨のベストマッチ。近頃の塩辛は薄味で発酵も十分でないものが多いがそれでは美味しくならない。どこでも手に入る桃屋の塩辛が良い。まず、塩辛をひと瓶の3分の1ほどまな板の上で叩く。次に、春キャベツをボウルに入れて軽くラップをして1分ほどチンし、バターひとかけ、叩いた塩辛を半量、醤油ひと垂らしを入れて軽く混ぜておく。フライパンにオリーブ油と叩き潰したにんにくと鷹の爪を入れて熱し、茹でてよく水を切ったスパゲッティと残りの塩辛、キャベツを入れてさっとあえたら出来上がり。桃屋の塩辛はかなり塩分が強いので、スパゲッティを茹でる時のお塩は少なめに。

【鯖缶で麻婆豆腐】
わーい、みんな大好き麻婆豆腐。でもひき肉も豆腐も要冷蔵じゃんと思うでしょ?
麻婆豆腐を鯖缶と6ヶ月も常温保存が可能な森永豆腐で作ってしまうのだ。家では豆板醤、甜麺醤、豆鼓を適当に入れるが、船の上では手抜いてカルディーの麻婆豆腐ミックス。それでも出来上がりにラー油と花椒をしっかり投入するとなかなか本格的な味になる。

【番外編 牛丼の缶詰】
これは料理とは言えないが吉野家の牛丼の缶詰。これをあえて湯煎などせず、冷たいまま食べて見た。ちゃんと牛丼の味がする。ユーザーレビューでは、マズイ、少ない、高いの三拍子だと酷評している人がいるが、お店で食べるホカホカの牛丼を期待してはいけない。ドン吹きでクルー全員疲労困憊、誰も食事を作る気力がわかない時に、もしこの牛丼が配給されれば、みんな涙してがっつくだろうと思う。

どうでしょう?今回、意外に保存食だけで結構なものが作れることがわかり、クルージングで補給もままならない僻地に行った時の良いシミュレーションになりました。
早くコロナが収まってクルージングに出たいものですね。

コメント

  1. 今井拓也 より:

    gm@imaiseikaku.co.jp
    いつも大変勉強になっています。
    有難うございます。
    ヨットを始めたばかりなので、これからもヨットでのいろいろな楽しみ方や知識を学ばせてください😁
    よろしくお願い致します。

  2. Koji より:

    >>1
    見ていただいてありがとうございます。変な事ばっかりやってますが、なにかのご参考になれば幸いです。

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