AISのWiFi化

AIS受信機の情報をWiFi化して、iPhoneのアプリで読めるようになった。

去年関門海峡を夜中に回航したときに、雨で真っ暗で、行きかう貨物船の航海灯がとても見え辛くてほんとに怖かった。追い越される直前にエンジン音が聞こえてきてやっと相手に気付くといった状況。

レーダーがあればなあと思うが、電力を大量に消費する上にマストにあんな重そうなものをくっつけてスタビリティーは大丈夫なんだろうかと思うと二の足を踏む。

そこで、せめてAIS情報だけでもコックピットで参照できないかと考えた。

実は、ボクの船のVHS無線機(八重洲無線のGX2150J)には既にAISの受信器が内蔵されている。しかし、無線機前面のあの小さなスクリーンでAIS情報を見るのは全く実用的でなく、さりとて純正のプロッターは、高価なくせに小さい上、チャートもみすぼらしくて全く魅力がない。

それでもプロッターに出力できるぐらいなら、どうせNMEAフォーマットだろうから、シリアルで受けてWiFiで飛ばせれば、iPadやAndroidタブレットのアプリで表示できる筈だ。

シリアルWiFiコンバータは、中国製の安くて良いものが手に入る。USR WiFi-232-610という機器は、AliExpressで送料込み$47.33。もう少し出せば同じものをアマゾンでも買える。

これを取り付けて、無線機からWiFiにデータを飛ばすところまでは良かったのだが、ご覧の結果に。完全に化けている。はて、GX2150Jが吐き出すSentenceが、一般的なNMEAフォーマットではなくバイナリコードを含んでいるのか?それとも機器の設定の問題か?

やむなくメールで八重洲無線さんにご相談。迅速かつ丁寧なご対応で、吐き出しているデータは、NMEA0183で、通常の!AIVDMからはじまるVDMセンテンス。ただ、ボーレートは無線機の設定メニューにある「NMEA入出力」で選んだレートに関係なく、38400bpsで固定になっていることを教えていただいた。

その通りにセットアップすると。。。。。わーい\(^o^)/、読めました。

使ったお金は6千円ほど。高価なチャートプロッターを買うことを考えるとこのお得感は半端じゃないなあ(と、いいつつ、自分の人件費やマリーナをこのためだけに何度も往復した高速代とかは、入ってないのだけどね ^^;)

[情報をいただいた方々へのお礼]
1. シリアルWiFiコンバータについては、当初Raspberry piで自作する手も考えたのだけど、「船長さんの無線ショップ」でUSR WiFi-232-610という完成品が売られているのを発見。「これ単品では売りません」とのことだったが、ネットで買えますよと教えてもらった。
2. AISデータをシリアルで受けてWiFiに飛ばす着想については、ブログ「Going with Catseye」さんを参考にさせていただいた。
3. NMEA0183でAIS情報を提供するための、VDMというSentenceの形式については、ほとんど情報が無いなかで、http://arundale.com/ さんに多くの有益な情報をいただいた。
以上、皆さんありがとうございました。

2017/5/11

コメント

  1. まこと より:

    はじめまして
    こちらの接続方法について私にも
    教えて欲しいです。
    NMEA0183→RC232 接続方法
    すいませんがよろしくお願いします。

  2. Koji より:

    >>1
    NMEA0183の信号はRS 422ならそのまま取り出せると思います。今ちょっと出先なので、取り敢えずは「NMEA0183 RS422」でググってみてください。

  3. makoto より:

    GX2150JとRC232の接続方法を教えていただきたいです。
    よろしくお願いします。
    いろいろやってみたのですが、うまくいかなくて・・・

  4. Koji より:

    >>3
    まず、インターフェースはRS422です。RS232ではありません(電気特性が違います)。それと受け側のボーレートの設定は4800bps。その2つに気をつければ結構簡単に繋がると思いますよ。

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