先日、カーボンのスラッジで詰まってしまったエルボーを真っ二つに切断した写真を、Facebookに載せて下さった方がいて(リンクはここ)、見えるところはそれ程でも無いのに、中程の湾曲した部分が完全に詰まっているのを見て自分も心配になり、取り外して点検してみることにしました。

バラしてみると、今回はどうも排気マニフォールドにいつもより多くススが付いているような…これは、エルボー内の排気の流れが悪くなっているのが原因なんじゃないか?
案の定、エルボーの湾曲部にも結構な量のススがついていて、一部は硬いスラッジになっていました。まあ、まだ詰まるところまでは行かないが、これが核となってどんどん肥大してゆくと時間の問題で閉塞に至るのでしょう。

で、これを綺麗に掃除したい訳ですが、その方法については以前ネットで調べたことがあって、(https://yachtakane.com/archives/32113501-2.html)、カーボンのスラッジは、まず表面の油分を溶剤で落としてから、アルカリ性の洗剤で落とすと落ちやすいとの事。
その順番でやってみました。まずはパーツクリーナー、

次に、業務用のアルカリ性の界面活性剤。

理論的にはこれでいけるはずで、だいたいのところは落ちますが、最後に残る固着したスラッジだけは、スポンジ、歯ブラシ、ワイヤブラシと強度を上げていっても落とせず、最後はマイナスドライバーで突っつくとこまでやりましたが、それでさえ歯が立ちませんでした。
かくなる上は… スラッジを物理的に削ってしまおう!という事で、研磨材料を買ってきました。これは、ペラクリンの塗膜をディスクサンダーで落とす時にお世話になっているベベルブラック(多分不織布を焼き固めたもの)に軸を付けて、インパクトドライバーで使えるようにしたものです。

軸が短いので、エクステンションを使って奥の方まで届くようにします。

これは上手くいきました。スラッジはほぼ完全に除去。但し、スラッジを取り除けてみると、エルボー内部の壁面にたくさんの小さな凹みが… これは、腐食した部分がスラッジと共に剥がれてしまった跡でしょう。

なるほど、いかにステンレスといえども、腐食は完全には防げないのですね。このステンレスエルボーは、鉄のエルボーを置き換えてから7年目。凹みが深くなって裏側(水の経路)まで貫通してしまうまでにはまだしばらく時間がありそうですが、永遠に保つ訳ではないということは覚えておいた方が良さそうです。
というわけで、当初意図したような「化学の力でスマートに」では足りず、「物理的に力技で」落とす事も必要だとわかりました。ただ、うちのエンジンはボルボなので(MD2030)、エルボーが60度ほどしか曲がっておらず、電動工具が届きますが、ヤンマーの一部機種のように180度も曲がっていたらお手上げですね。その場合、酸性の硫黄化合物(スラッジ)をボロボロにしちゃうぐらいの強アルカリを使うとか手は無いわけでもないと思いますが、廃液をどうやって処理するかなど難しい問題もあるでしょうから、そういう機種の場合は、あまり抵抗しないで定期的に取り替えちゃうしか無いかもしれません。
【おまけ】
因みに海水経路に付くスケールは、オイルスラッジとは全く別物です。一見したところ、ただの塩の固まりのようですが、実はあれは、炭酸カルシウムなどの水垢成分が一緒に固まったものなので、水ではほとんど溶けてくれません。これを落とすにはサンポール(希塩酸に界面活性剤を混ぜたもの)の一択になります。サンポールの原液を垂らしてやると…
ぶくぶく分解しているのがわかりますね(炭酸カルシウムに希塩酸を反応させると、二酸化炭素を出して、水溶性の塩化ナトリウムに変わります)。あとは多量の水で洗い流してあげると、すっきり綺麗になりますよ。
なお、スラッジ除去などでアルカリ性の洗剤も使っている場合は、うっかり混ぜると危険なので気をつけましょう。

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