やらかしてしまいました

お天気の良い日曜日の午後、いつになく賑わっているマリーナ。よりによって、こういう時に限って着桟に失敗して、周りの皆さんに総出で助けて頂きました。
失敗の原因は割合はっきりしているので、恥を偲んでブログにアップし、今後の戒めにしたいと思います。
状況は次図の通り。

うちのバースは、岸壁から3番目の場所なので、船だまりの一番奥で大きく回頭して着桟する必要があります。また、プロペラは、1軸左回りのセールドライブ。通常の一軸右回りとは逆で、前進では船尾を左に、後進では船尾を右にボートウォークします。

その日は、友人3人を乗せ、つまり人手は十分な状態でもあり、漫然と着桟態勢に入ったところ、右舷後方からのブローに煽られて、回頭が膨らみ、①でかなり岸壁に接近、これはいかんと、②でやや大きめに舵を切ってバースに向けたところ、風のせいもあり行き足を失い、③の位置でギアを前進に入れた結果、船尾を左に振って、お隣の船に接近しました。

幸い、船上で宴会をしていたお隣さんが総出で船を押さえてくれ、周りの皆さんも出てきて桟橋から船首を捕まえてくれて、辛うじてお他所の船にぶつける事なく着桟できたわけですが、完全に「あの新入りは下手だから皆で気をつけてあげようね」的な雰囲気になっちゃいました。しばらくは、その評価は甘んじて受けつつ、信頼回復に努めたいと思います。

さて、こうなってしまった原因ですが、風で回頭が膨らむ量が計算できていなかった事とゴーアラウンドの判断遅れです。上の図で、③の位置でギアを前進に入れた事が直接の原因のように見えますが、実はこの位置では既に詰んでいます。この位置で後進に入れれば、やや右にボートウォークしつつ隣の船からは離れる事ができますが、風で岸壁方向に押されて、そのままくっついてしまう可能性が大です。
従って、②の位置でも既に遅く、回頭が流されて①の位置になった時点で、直ちに諦めてゴーアラウンドモードに入り、面舵いっぱいで前進に入れて離脱すべきでした。船尾はその場合も左に振れるものの、ギリギリ元来た方向へ戻ることができると思われます。

では、どうすれば良かったのでしょうか?次の図のような操船かと思います。

重要な事は、流される量を計算して早めに回頭する事。それと、舵効が失われないだけの最低限の速度を維持しつつバースに接近すること。そして、ギアを後進に入れて減速すると共に、ボートウォーク(船尾を右)を使って船尾を桟橋に寄せるということかと思います(文章に書くと教科書の記述そのままになってしまいますが、加減が難しいんですよねえ)。
さらに言うと、どの時点でやり直しの判断をするかも重要です。上の図では、④の位置で予定と大きくずれてしまったらやり直すと事前に決めておいた方が良さそうです。

と、満を持して汚名挽回の機会を待っていたところ、昨日、金曜日は西の強風。日曜日よりむしろ状況は厳しそうだったけど、事前のシミュレーションを信じて、手順の通り侵入。バースに寄せるところまでは完璧でした。
ただ、スプリングラインドッキング用のラインを取るのに手間取り、その間に船が流れ出しそうになったので、すぐに後進に入れて離脱。一度やり直しになりました。
2回目は問題なく着桟。ただ、やり直しになったのを見て、ご近所さんが綱を取りに来てくれたので、難易度が少し下がってしまいました。

とはいえ、離脱、やり直しも含めて、リスクを感じる局面は無く(必要なら何回でもやり直せる感じ)操船シーケンスとしてはこれで良さそうです。

完全な信頼回復には、まだしばらくかかると思いますが頑張ります。

【ご参考】
スプリングラインドッキングは、この動画が一番わかりやすいです。
https://www.youtube.com/watch?v=TjUMocc1_4w

コメント

  1. O川 より:

    >「あの新入りは下手だから皆で気をつけてあげようね」
    ↑これ、いいじゃぁないですか。
    私はマリーナでエンジンの修理だのなんだのと頼まれキャラになるパターンが多いので、今度のマリーナではオイル交換とか頼んで、機械とかなんもわからんキャラデビューする予定です。
    皆に目をかけられるキャラが一番ですわ。

  2. Koji より:

    >>1
    このマリーナ、ホントに周りの人が何かと気を遣ってくれて、暖かい雰囲気なんですよ。ただ、お隣さんに「まだ着桟慣れておられないんですかね。心配しなくてもそのうち慣れますよ。」って言われてちょっと凹んでます。

  3. O川 より:

    >>2
    > まだ着桟慣れておられないんですかね。心配しなくてもそのうち慣れますよ。
    こんな事言われたら、なんとも言えない気分になりますな…

  4. Koji より:

    >>3
    あはは。時間をかけて信頼回復するしかないですねえ。

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