「レースをするには鈍重、クルージング艇としては腰が軽い、造船所がそういう中途半端なフネにジブ・メインファーラーや電動ウインチを付けてショートハンド対応のクルージング艇としてユーザーに売り込むのは如何なものか?」そういう論調に接する機会は多い。むしろ、ヨット界の識者の間ではそれが主流かも知れない。
でもユーザーの立場から見て本当はどうなんだろう。
軽快な純レーサーは楽しいだろうけど、複数のクルーがいなければ出せないのでは出航機会が極端に減ってしまう。それに、軽く保つことが前提で設計されたフネなら、最低限のクルージング用の積荷、つまり、しっかりしたアンカーやチェーン、工具類や予備の艤装品、水、食料、酒(?)なんかを積んだら、かなりパフォーマンスに影響するだろう。
一方、ロングキールの重排水量艇はともかく上らない。上りが50度にも満たないようでは風が前へ回った途端にエンジンを始動するしかない。重厚なキャビンは寛げるのだろうが、吹いたら出さない。出してもほとんど機帆走というのではヨットの楽しみは半分になってしまうのではないか?
結局何かを捨てなければならない訳だが、もし捨てられないものが、長期クルージングへの適格と最低限の上り性能だとしたら、結局のところ、市販のクルーザーレーサーと呼ばれるゾーンに行きつかざるを得なくなる。
なお、ショートハンドへの対応で一番良いのは乗るフネを小さくすることだと思う。30フィート以下のティラー仕様なら、かなり自由が利く。しかし、日本近海の波は決して優しくはないので、もう一回り大きいと楽なんだけどなあと思うことが多い(相模湾で23ft、30ftと乗り継いできたのでそれが実感)。それで船を一回り大きくして電動ウインチとジブ・メインファーラー。
何だ、結局セールスの兄ちゃんのお勧めそのままじゃないか?
というわけで、自分はクルーザーレーサーを選択することになってしまったが、ヨットでは何を捨てられるかで、より質の高い別の何かを得られることは間違いない。
面白半分だが「ヨットの選び方チャート」を作ってみたので、皆様のご意見もうかがってみたい。
コメント
クルーザーレーサーに成ってしまいました💦
>>1
ですよねー
とりあえず今はクルーザーレーサーになりました