上り性能向上計画

ヨットは「上(のぼ)ってなんぼ」。クルージングボートだって、風がちょっと前に回ったら機走というのではつまらない。だから今年のテーマはいかに上り性能を向上させるかに置いてみる。

一番簡単な筈だけど実行するのが一番難しいのは、いかに船を軽く保つかだ。

去年どうしても欲しくて積み込んだもの:
- 8ミリのチェーンを50m(70Kg、これでチェーンは合計で100m、140kgになった)
- ケッジング用のアンカー(12Kg)とランチフック用のアンカー(5Kg)
- 予備のアンカー用のチェーン3mとアンカーロープ100m(合計で20kgぐらい)
- ディンギーの代わりに積んだスタンドアップパドルボート(10Kg)

合計すると、117Kgの増 !!

これに対して降ろしたもの:
- プロパンガスのボンベをカセット型に切り替え(-4Kg)
- 土鍋(-1Kg)
- 使用頻度の低い重めの工具類など(-7Kg)
- レースにしか使わないジェノア(-15Kg)
- 予備のメインセール(-20Kg)
- 岸壁よじ登り用アルミ梯子を縄梯子化(-5Kg)

合計は、52Kg

だめだこりゃ。
まあ。これからも、何か積んだら必ず何か降ろすということを徹底するようにして、ちょっとでも重量増加のペースを抑えるようにするしかない。

次に、リギンのチューンアップ。

どうも、フォアステーがテンション不足でサギングしている気がする。それでバックステーを詰めるのだけど、ボクの船はフラクショナルリグだから、バックステーを詰めてもマストがじゃんじゃん曲がるだけでジブハリのテンションにはならない。因みに470と違ってジブハリそのものを詰めても全然効かないし。

そこで、セルデンのチューニングガイドブックを参照。(http://www.seldenmast.com/files/595-540-E.pdf

わが艇は、2つのスイングバックスプレッダーを持つフラクショナルリグだから、フォアステーのテンションはキャップシュラウド(一番外のサイドステー)の張りの強さで決まってしまう。そして、マストの曲がりはロワーとミッドのインナーシュラウドで調整する。

フムフムなるほど。原理がわかったところで、さっそく実践。しかし、チューニングガイドによるとシュラウドには、破断荷重の20%をメドにテンションをかけろとある。うちのキャップシュラウドは、一番下(V1)が10mmダイフォーム、真ん中(V2)と上(D3)が8mmだから、8mmの方を基準にするとしても、破断荷重6150kgの20%で1.2トン、こんなにテンションを掛けちゃうのは怖いが、別の雑誌にシュラウドのテンションはかけない方がよほど危険との記事もあり、やってみることに。

ところで、どうやってテンションを測るか?高価なテンションメーターなんて、レーサーならともかく、年に一回使うかどうかのボクには買えないが、セルデンのチューニングガイドには、便利な方法が乗っていた(ガイドのp32)、ワイヤーは、荷重がかかると少し伸びるが、その伸び率はある範囲では、ワイヤーの直径に関係なく同じ比率になり、ステンレスのDyformなら長さ2mに対して、破断荷重の5%で0.95mmの伸びになる。これは8mmでも10mmでも同じらしい。

したがって、ターンバックルからちょうど2mのところに金属の巻尺を固定し、4mmの伸びをmaxとして調整すれば良い(実際は、10mmのV1で8mmのV2とD3の20%を計測することになるため、その63%で2.5mm max)

ロワーシュラウドの適正テンションは現時点では良くわからないが、バックステーにテンションを掛けても極端にマストが曲がらないところまでは締め込んだ。

マリーナでここまでは完了。さて、ここからは海上での最終調整になる。

走りながら、マストが曲がりすぎるようならロワーを詰める。風下側のシュラウドに緩みがあれば締め込む、また左右のタックで上りに差があれば、ロワーのテンションに差が無いか確認した上で、上りが悪い方のキャップシュラウドのテンションを少し上げるか、というようなことを試行錯誤しながら、今後しばらく微調整してみることになる。

[ボク] これでだめならケブラーのレーシングセールを買うしかないかな?

[家内] それは無い(キッパリ)!

2017/04/27

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