ステンレスエルボーと電解腐食対策

これは、2年前にエンジンを整備してもらった時のミキシングエルボーの画像。かなり逝っちゃってるようにも見えるが、整備してくれた業者さんによると、腐食は無く、綺麗に酸洗いしておいたのでまだ2-3年は問題ないでしょうという事だった。

しかし、数年に一度のエルボー交換が湿式排気ディーゼルの宿命とは言え、いつトラブル起こすかといつも気にかけているのは精神的に良くない。そこでちょっと高価ではあるが、ステンレス製に代えてしまう事にした。

実はステンレス製にも2種類あって、ステンレスのエルボーに鉄のフランジを溶接したタイプとステンレスの精密鋳造品がある。前者はどうしても溶接部分にピンホールが空くようだ。これはウォーターロックでも苦戦したから知っている。

一方、後者のオールステンのタイプは電解腐食でエンジン側が錆びるというご忠告を頂いた。今回購入したのは後者のタイプ。エルボーは不滅でもエンジンがいかれたのではシャレにならない。

さて、どうしたものか?要するにエンジン本体とエルボーを絶縁しちまえば良いのでしょ?ステンレス協会の資料なども参考にしながら、エンジン本体から出ているスタッドに絶縁スリーブを入れ、絶縁ワッシャーを使って止めつけることにする。

じゃあガスケットそのものは?
下の写真は左端が純正のガスケット。どうもノンアスベストの繊維系素材をアルミナで固めたもののようだ。抵抗を測ってみるとガンガンに電気を通す。アルミなら鉄よりは先に逝っちゃってくれるはずなので、このままでも大丈夫なのかも知れないが、やっぱり念の為に絶縁しておきたい。

真ん中は0.5ミリ厚のPTFEシートから切り出した絶縁ガスケット、これを純正ガスケットに重ねて使うか、それとも右端のバルフロン#7020という、高温でもクリープしにくいシリカをPTFEでくるんだガスケットに代えるか、現在思案中。

 

一般にガスケットの重ね使いはいけないことになっており、バルフロンのに代えるのが望ましいのだろうが、このガスケットはあまり弾力性が無く、封止のためにはある程度の面圧を必要としそう。締めすぎてスタッドを折ったら一貫の終わりだしなあ。

2枚重ねの場合、エルボーのフランジは新品で平滑なので、フランジと絶縁ガスケット間で漏れるリスクは少ないと思う。絶縁ガスケットと純正ガスケットの間に薄くガスケットペースト(液状ガスケットではなくガスケットとの併用を前提とした補助剤。ニューバルフロンペーストなど)を塗布してどうだろう?

大手化学会社の技術屋さんに意見を求めたら「どっちでも大丈夫なんじゃない?排気なんて大した圧力はかかってないでしょう?」と素っ気ない。そりゃあんたとこみたいに、漏れたら大爆発って訳じゃないけどさ。

今のところエンジンは絶好調。エルボー交換はこのオフを予定しているので、それまでもう少し悩みます。

ところで、最後に殆どの人が一生知らなくて良いトリビア。JIS規格のフランジ用全面パッキンの32Aをハサミで四角く切って、四隅に8mmの穴を4つ開ければ、ボルボMD2030のミキシングエルボーの純正パッキンときっちり同じ形になります! 

2018/04/25

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