メインハリヤードのクラッチが滑ってセールがずり落ちてくるようになった。このままではウインチがメンハリに独占されてしまう。

スピンロックのパワークラッチ(うちのはXTSというシリーズの旧モデル)は、ロープの下側の洗濯板みたいな部品と上側のカムのような部品で挟み込んでロープを止めるようになっている。カムがすり減っているのは間違いないが、洗濯板がどの程度減っているか不明だったので、カムと洗濯板両方入ったキットを買った(これ、ハンドルも付いているが無駄なんですけど…)

交換の仕方は、スピンロックさんのYoutubeにちゃんと載っているが、うちのはモデルが旧いので微妙に構造が違いそう。(https://youtu.be/kIDJxK56uZI?si=364DnlHGPlzvF1X4)
取り敢えず止めてあるネジを外して分解にかかるが、多分10年以上サービスして貰っていない部品なので、埃がすごいしあちこち固着はしているし、ドライバーを突っ込んで外蓋をグリグリ外すのには結構勇気が必要だった。

何とか壊さないで蓋を外せたが、ここからが大変。Youtubeみたいにスコスコ抜けない。もちろん、外さないで船上でやっているからということもあるのだけれど、そもそもこの船首側のボルト、バラさないと外れない、外さないとバラせないの無限ループ???。
と思ったら、レバーを絶妙な位置に動かすとネジの頭が見えるのね。そうか、バラさないでも外せるのか?しかし、ボルト10本抜かないと全体は外れないので、そこは考えどころ。

やっと抜き出したカムと洗濯板(いずれも左が交換対象、右が新品)。カムは明らかにすり減っているが、洗濯板には目立ったすり減りはなさそう。次回から交換はカムだけで良いかな。

さあ組み付け。今回有難かったのは、昔々このクラッチを艤装してくれた人が、ちゃんとテフジェルをしっかり付けてボルトを入れておいてくれたので、齧りもなくあっさり抜けてくれた事。

次のメンテに備えて、自分もしっかりテフジェルを付けてねじ締め。

これで交換完了。よく見ると両隣もちょっと影が薄いね。時間の問題だろうから、全部交換してしまいたいところだけれど…、カムだけ買っても一個1万円するのよね。うちには5連のクラッチが2組あるので、あと9個、9万円?それはちょっと痛いよなあ。
取り敢えずもう一個だけ予備部品としてカムを買うことにした。船内にしまっておいて、どれかが滑り出してにっちもさっちも行かなくなったら交換という作戦で行く。
【外したカムを削ってみた】
すり減ったカムは、ロープの形に丸く掘れてそこが滑っているので、上手に削ったら再生できるんじゃないかと思って削ってみた。

アルミのダイキャストだから簡単に削れちゃう。これでは保ちが悪いよなあ。なお、削ったとしても「回転中心からの距離が連続して単調に増えていかないといけない」らしく、「一旦治るがすぐまた滑り出す」という意見もあり、まあこれ、一応応急手当て用に取っておくことにする。
なお、スピンロックさんもカムの保ちが悪い事を認識しているらしく、別途セラミック製のカムを売っている。お値段は倍ぐらいするが、次回交換する時はそれも検討してみたい。
コメント
あー、これ前の前の艇で同じのを使ってましたけど、圧倒的にセラミックですよ!
そうか、寿命が10年だとして、値段を倍払えば最低20年ならお得なのかもなあ。